
欧州刑事警察機構が「Emotet」のテイクダウンを発表(トレンドマイクロ株式会社のブログより)
日本中で多大な被害を及ぼしていた「Emotet」(エモテット)について、
EUROPOL(欧州刑事警察機構)が「Emotet」のテイクダウンを発表したことを
2月1日トレンドマイクロ株式会社はブログにて公表しました。
「Emotet」は、以前本トピックスにて掲載している通り、
主に正規のメールへの返信を装い感染を広げ、感染した端末は、
犯罪者の道具として利用されるような非常に厄介なマルウェアです。
2014年より国内外で大きな被害をもたらしていましたが、
今回EuropolとEurojust(欧州司法機構)が中心となり、
「Emotet」を配布する中核的役割を担うC&Cサーバを停止しました。
更に今回のテイクダウンでは、C&Cサーバに対して
通信してくるボットネット端末(既に感染しており、更に「Emotet」を拡大させる端末)が、
以後、攻撃者がC&Cサーバを通じてコントロールできないよう「Emotet」自体を無害化し、
根絶する取り組みも行われました。
接続するC&Cサーバを当局が用意したサーバに変更し、
2021年4月25日に自身をアンインストールすることで、
現在拡散しているEmotet本体は、自身を無害化検体にアップデートした上で消滅します。
全世界を脅威に陥れた「Emotet」の被害は、終息して行こうとしています。
一方で、既に窃取されてしまった企業機密や個人情報などの重要データは
もう取り戻すことはできません。
サイバー攻撃は日々驚くほど進化しており、いつ新たな脅威が訪れるか分かりません。
「Emotet」で受けた被害や予防のために行われた対策は、
今後も変わらず必要とされることが予想されます。