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セキュリティコラム Vol.3 「リモートワークからスマートワークへ ~企業の成長を目指したセキュリティ対策」

トピックス

こんにちは、セキュリティコラム第3弾です。今日は少し長い目で在宅業務について考えてみたいと思います。
ちょっと前回とは違う視点で考える「リモートワークについて」ですので、賛否いろいろあるかと思いますが持論を展開してみたいと思います。
また、タイトルを見てリモートワークとスマートワークで何が違うんだと思った方々も多々いると思いますが、最終的に最後まで読めば理解いただけるように解説していければと考えています。まあ用語解説を見てもらえればすぐわかるのですが。

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 前回もお話しした通りですが、引き続き新型コロナウイルス感染対策として在宅勤務を推進もしくは検討している企業が増加していると思います。在宅勤務形態の呼称については、総務省では2018年にはすでにテレワークという呼び方で、セキュリティガイドライン(https://www.soumu.go.jp/main_content/000545372.pdf)をホームページに掲載しています。テレワークの定義を見ると「情報通信技術の利用により時間・空間を有効に活用する多様な就労・作業形態(同ガイドライン4ページ)」として、在宅勤務だけではなく、モバイルワーク、サテライトオフィスを含めたリモートワークの形態を含めています。聞くところによると一般企業でも一部のIT企業で2010年から実際に対策をすすめているところもあるようです。

 もともと、時間・空間を有効活用する施策として総務省としては奨励してきたわけですが大手企業でさえその導入を全面的には行わないで部分的な活用となってきたのが現状です。

 趣旨からはずれるので今回はその原因について言及はおいておきますが、今現在状況を鑑みると、新型コロナ対策を想定したテレワーク導入は、「できるだけ導入したほうがよい」というステイタスから、ロックダウンの可能性も考えると「企業の運営継続にかかわる重要な検討事項」に変わってきているのではないでしょうか。

 経営者から見ると突然の(しかもほとんどの企業にとって期末に)コストがかさむこととなって頭を抱えるか、場合によっては期が変わったら対処しようと気軽に考えたりしていたかもしれませんし、もしかしたら出来ればやりたくない施策なのかもしれません。

 しかし、本来これは「時間・空間を有効に活用」するため、企業としてプラスとなる施策になるはずで、その効果測定(コストメリット)は、現在のウイルス対策というだけではなく、もう少し長期的に見て考えてもよいのではないかと考えます。

◆労働者当たりの労働時間効率化測定

◆不要となるコスト試算

◆業務内容と成果の見える化

◆優秀な人材の労働機会提供方法の多様化

◆無駄な指示、雑務の削減(お茶くみ、コピー・プリントアウト指示など)

 通勤時間の短縮、日本特有の不要な雑務の削減、タスク、アウトプットの明確化など作業効率が在宅勤務で高まるだけでなく、本来総務省の意図したであろう少子高齢化社会における有能な人材の有効活用(副業化)、を進めるための基盤作りができるのです。

  直近の皆さんの目的は単なる在宅勤務ですが、これは一時的な企業の施策にするべきではなく、より企業の生産性を高めるための手段にしていくことを検討してもよいと思います。

 具体的には、今(フェーズ1)は、家から企業(もしくはクラウド環境)へのアクセスを確保し、セキュリティ対策をとることを進めます。特に今回の目的(新型コロナ対策)から言って、外出先やサテライトオフィスを想定することは逆にNGとなるでしょう。※前回のコラムを参考にしてもらえると嬉しいです。

 最終ゴールをもう一歩先(フェーズ2)に持っていくと、シチュエーションが増え、さまざまな場所からのアクセス、コミュニケーションを実現する必要があり、そのためにはもちろんセキュリティ強化対策が必要になってきますが、一番重要なことは、成果物が外部に出ない作業環境(リモートワーク環境)をユーザに提供するということだと思います。作成者でさえ取り出せない環境での業務を実施させることが重要だと思っています。

 Webサイトの制作現場ではずいぶん前から行われてきたことですが、リモートワークが中心の業務形態にしたときに業務はより明確化され、評価は今以上にアウトプットが重要となり、作成されるデータの所有は常に企業にある状況にするべきです。

 そのアウトプットを守る施策をとることができなければ、企業の信頼性、生産性、品質を向上・保障させるスマートワークにはならないでしょう。

ということで、あくまでこれは個人的な意見で、今回あまりセキュリティ対策自体についての説明は少ないかと思いますが、結論だけ申し上げると最終的にシンクライアント化がスマートワークに必須の技術になると思っています。

 検討されたことある企業のシステム担当であればご存じの通り、シンクライアント化はコストがかかります。ただ、その投資対効果の測定方法を近視眼的に考えるのではなく、今回のリモートワークを通して効率化を推進することでそれが実現できるなら、先進国の中でも収益性が低く、今後少子高齢化を迎える日本において、必須のIT基盤となるのではないかと期待しています。※あくまで個人的な意見です。

 日本の国民性からテレワークの浸透は難しいと思っていましたが、新型コロナウイルス対応は、不幸な出来事ではありますが、同時に一歩前に進むきっかけになるような気がします。

今回それを実現させる方法については特に記述しませんが10年前と比べるとずいぶん手軽に導入可能なソリューションが増えたと思います。

 新型コロナ対策のためのリモートワークから、生産性を高めるためのスマートワークへうまくシフトできる企業が日本に増えることを願ってやみません。

202041

セキュリティ&マネージド事業部

事業部長 坂江敦基

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